大志ができるのは不幸の回避-演劇集団キャラメルボックス公演「あなたがここにいればよかったのに」感想
- 2014.03.26 Wednesday
- 23:32
僕の記憶違いでなければ大志はまひろに対して
「幸せになってもらいたい」
と、言っていたと思う。
先日ニコ生で観た演劇集団キャラメルボックスの公演「あなたがここにいればよかったのに」。その感想を改めて書きたいと思う。
大志はまひろに幸せになってもらいたいと思っていた。しかし、大志がやったのは『不幸の回避』。まひろが森岡と結婚すると不幸になることは一度目の人生で経験済み。だからそれを回避することが大志の二度目の人生の目標の一つになっていた。
だったら大志はまひろに向かって
「あなたに不幸になってもらいたくない」
が正しいはず。
でも、大志はまひろに幸せになってもらいたかった。
なぜか?単純に考えたら森岡との結婚によって不幸になることは避けるが、まひろにはそれ以上に幸せになってもらいたい。それは自分にはどうすることもできないから。だから、
「幸せにしたい」
とは言ってない。
大志の力は一度目の人生で起こった不幸を回避することだけしかできない。もし、まひろがまたどうしようもない男に騙されても、大志にはそれを回避することができない。一度目の人生で経験していないことだから。
だからこそ、まひろの幸福はまひろ自身が掴むしかない。それが大志の本当の願いではなかったのかな。「幸せにしたい」と言わずに、姉に伝言を頼むことなく飛行機に乗った大志の願いではなかったのかな。
それにしてもキャラメルボックスの主人公は特殊な能力を自分のために使わないよな。